世界的に注目される原油価格の指標。WTIはウエスト・テキサス・インターミディエート(West Texas Intermediate)の略。テキサス州で産出される硫黄分が少なくガソリンを多く取り出せる高品質な原油のことであり、その先物がニューヨークマーカンタイル取引所で取引されており、世界的な原油価格の指標になっている。原油価格の指標にとどまらず、世界経済の動きを占う重要な経済指標の1つにもなっている。

 現在の為替マーケットは株式や債券ばかりでなく原油相場や商品市況と密接に関係しているために、その動きから目を離せません。

 WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油価格やニューヨーク株式市場に影響をもたらす米週間原油在庫統計について説明します。

 米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)の週間石油統計と米国石油協会(API)からの週間統計を受け、米週間原油在庫は毎週水曜日に発表されます。中でも原油在庫と石油製品在庫の2つの数字に注目が集まります。最近発表されるEIAとAPIによる原油在庫は2億9200万〜9800万バレルで推移していますが、原油在庫と石油製品在庫が大幅に減少するとWTIが上昇し、在庫が予想以上に減少するとWTIは反落します。

 そして、今まではWTIの上昇はニューヨーク・ダウ工業株30種平均の下落をもたらし、WTIの下落はNYダウの上昇に繋がりドル買いを連想させます。しかし現在の原油高は、石油株とエネルギー関連株の上昇をもたらしNYダウが高値をつけるなどの原動力となりました。つまり今のNY株式市場は石油・エネルギー株が主導で株価上昇をもたらしている形です。こうしたことからも原油動向から目を離せません。

 原油高がドルと円のどちらの材料となるかですが、米国の消費と株価に及ぼす影響が大きいと考えるためドル安要因と思っています。しかし石油の輸入依存度がほぼ100%である日本と、原油ならびに石油製品の消費が日本の2倍である米国を比較すると、それぞれの要因が相殺されてフラットになるとも考えられます。

 つまり現在のマーケットのようにドルや円に傾くことなく、堅調なユーロドルやユーロ円のように、原油高はドルや円以外の主要通貨であるユーロをサポートするものと思われます。

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